主任司祭 大海明敏
暗黒の時は終わった。激しい論争、侮辱と泣き声、鞭打ち、釘付けの叫びは一晩で消え去った。権力を握る人たちは満足し喜んだだろう。その間、見つかることを恐れ弟子たちは暗い部屋に閉じこもった。
有名人が十字架につけられた時の騒ぎも終わった。何も起きなかったかのように普通に戻った。イエスのこの世での生涯は冷たい十字架で終わってしまった。
蝶が美しくはばたく為には、苦痛を乗り越え、蛹から抜け出す必要があるように、そして鳥が羽ばたき空を飛ぶ為には、卵から抜け出す努力が避けられないように、復活には十字架の道を越えなければならないのです。
イエスの復活は私たちに新しい力を与えてくださる。イエスの復活は、イエスが言ったことの正しさを示しています。
「十字架の死に至るまで従順でした」 (フィリ2,8)
イエスはまた
「栄光への道には受難を乗り越えなければならない」
と言われた。イエスの御父への従順と愛が全てに打ち勝った。
神の愛は無限で無比です。従って神の言葉を聞き、信頼するだけで、たとえ死に迫られた時も、恐れや悲しみの中でも、死の闇を乗り越えることができます。言い換えれば、何があっても全てを神のみ手に委ね続ければ報われるということです。
イエスの復活は、私たち一人ひとりの希望を保証します。それはイエスに結ばれた者が、その復活にも結ばれて、神の国の完成の時に、永遠の命を与えられることを約束しています。
この信仰こそ、私たちの希望の根拠となるものです。
主の復活、おめでとうございます。